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平成21年度財政援助団体等監査報告書(平成22年1月22日公表)

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平成21年度財政援助団体等監査結果報告

第1 監査の対象団体(所管課名)

 1  (有)三隅町農業支援センターみらい(三隅支所産業課)
 2  (有)ゆうひパーク三隅(三隅支所産業課)
 3  株式会社 かなぎ(かなぎウエスタンライディングパーク)(金城支所産業課)
  *「株式会社 かなぎ」については、平成20年度に監査を実施しているため、追加の報告事項となる。 

第2 監査の範囲

  平成20年度の補助金等に係る出納その他の事務(対象団体)及び補助金等財政的援助に係る事務(所管課)、並びに団体の経営状況等について審査した。
  なお、必要に応じて監査を実施した時点や過去の状況についても審査した。 

第3 監査の期間

  平成21年9月1日(火)~平成21年12月21日(月) 

第4 監査の方法

  補助金等にかかる出納その他の事務が適切に執行されているかどうか、及び団体の経営が適切に行われているかどうかを主眼とし、事前に提出を求めた関係書類を審査し、かつ、関係職員から状況を聴取して実施した。
  なお、団体の経営状況等にかかる審査については、団体の決算書には現れない市からの多額の財政負担等が発生しており、市が保有する施設にかかる維持管理費など、市の財政負担も含めた実質的なコストを把握する視点から経営実態を審査した。 
審査の視点
 (1)団体に関して
   ア 定款(寄付行為)並びに経理規程等は整備されているか。
   イ 設立目的に沿った事業運営がなされているか。
   ウ 経営成績及び財務状態は良好か。
   エ 会計経理等は適切に行われているか。 
 
 (2)所管課に関して
   ア 出資団体の経営成績及び財政状態を十分把握し、適切な監督指導を行っているか。
   イ 市の財政負担を加えた総費用(団体の決算書に現れない費用等)を把握し、市の財政負担に対する効果を測定しているか。
     * ただし、経営成績だけでなく設立の目的や意義も考慮する。
   ウ その他(協定書の締結は適切か。指定管理の募集選定において公平性・透明性が確保されているか。) 
 

第5 監査の結果

【1】 監査結果(個別)

団体名

 (有)三隅町農業支援センターみらい

施設名

 三隅町農業支援センターみらい

所管課

  三隅支所産業課
1 指摘事項 
 (1) 監査対象とした財政的援助等(決算書上)の概要
   ア 補助金額 直接的な運営補助はなし(平成20年度)
     *平成19年度は2,997千円(農機具の購入補助)。
   イ 出資金  1,500千円(出資比率28.8%) 
2 監査の結果
 (1) 団体に関して
   ア 審査の状況(経営状況等)及び運営の合理化に資する意見
    平成16年に農家の高齢化に伴う農地保全を目的に井野地区に設立され、市、農協、地元農家がそれぞれ1/3ずつ出資して発足し、農業経営を行っている。平成19年の制度改正に伴い、安定的な農業生産活動を行なうため、農業生産法人化している。
平成20年度決算における営業損益は3,280千円の赤字であり、営業外の補助がなければ運営できない状況である。今後も補助金等を活用しながらも、増加傾向にある製造原価の抑制を図るなど、営業収支の改善に努め、安定的な農業経営を確保することが望まれる。
 
    (ア)決算書の様式及び会計処理の体制について
      平成18年5月施行の会社法により、「利益処分案」に替わり「株主資本等変動計算書」及び「個別注記表」の作成が必要となっている。今後は、会社法に基づいて決算書類を作成するよう見直しをされたい。
また、会計責任者と出納責任者を明確に区別し、責任の所在が明らかとなるような体制に整えられたい。
 
    (イ)営業外収入(補助金収入)の内訳の記載等について
      補助金収入は、営業外収益として計上されている。
      内訳は、雑収入462千円(JAからの「肥料農薬奨励金等」)と作付助成収入3,842千円(地域水田農業推進協議会からの「産地づくり交付金」2,641千円と「中山間地域等直接支払交付金」の個人配分額1,201千円)、及び一般助成収入124千円(米穀安定供給確保支援機構からの「集荷円滑化対策助成金」)である(所管課からの意見聴取による)。
      また、特別利益の経営安定補填収入1,044千円は、国からの「水田経営所得安定対策交付金」であり、同時に、経営強化準備金繰入額1,000千円として特別損失に計上し、農業経営基盤強化準備金として固定負債に計上している。
      特に、営業外収入としての補助金収入は、平成19年度までは「雑収入」として一括計上されており、また、平成20年度決算においても「作付助成収入」として一括計上されるなど、決算書及び決算報告等に内訳が記載されていないため、補助金の内容や補助の負担先が分かりにくくなっている。公費等による収入も含まれていることも勘案し、利害関係者へ説明責任を果たすためにも、営業外収入(雑収入、補助金収入)の科目明細を「個別注記表」に記載するなど、内訳をわかりやすく報告されたい。
 
    (ウ)資産の保有状況及び適正な資産計上について
      団体保有の資産としては、平成20年度決算で2,712千円の有形固定資産(平成19年度取得の農機具)を計上している。減価償却費は、フル償却しており未償却額はない。償却方法は定額法(残存価額は備忘価格1円)により、耐用年数は概ね5年程度で、減価償却累計額は832千円となっている。
      しかし、団体保有として決算書に計上されている資産以外も含めると、平成20年度末で、機械等の資産取得価額(事業費)の合計は26,782千円であり、団体の支出分は6,429千円となっている(提出資料による)。実施主体(購入主体)は、市、JA、井野環境保全組合、井野連合会である。資産として計上されているのは、団体が実施主体となって平成19年度に購入した農機具類5,995千円のうちの、団体支出分2,997千円に係る部分のみである。
      市やJA、井野環境保全組合、井野連合会が事業主体となって購入した資産のうち、団体の支出があっても資産に計上されないものがあるなど、一部、資産の実態と決算書上の資産計上が分かりにくくなっているものがあった。農機具類等の資産は、当該団体の事業のみに活用されており、補助金等により他団体が購入した資産等についても、本来、圧縮記帳を適用するなどして団体の資産に計上すべきものがなかったか検証する余地がある。
      また、他事業主体(市、JA等)が購入し団体へ貸し出している資産は、適切にリース料の支払いを計上するとともに、本来、団体のリース資産として計上すべきものがあれば適切に資産計上する必要がある。
      今後、資産の更新または新規購入する場合には、実態に合わせた適切な会計処理と資産計上及び費用計上に努められたい。
 
    (エ)資産の維持修繕、更新費用について
      今後、農機具等の資産26,782千円に係る多額の維持修繕及び更新費用が発生することが、経営上の課題である。農機具等の維持修繕費は、全額が団体の負担となっており、毎期、多額の費用が発生している。修繕費支出の実績は、平成18年度1,474千円、平成19年度1,363千円、平成20年度1,267千円である。なお、現在、農機具等の大半が団体の資産に計上されていない現状(帳簿上、他団体が保有し貸し出す形態)を勘案すれば、修繕費全額を団体が負担するのは、資産の実態等と合っていないため見直しの余地がある。
      また、農機具、車両等の更新においては、一度に多額の費用が発生するため、補助事業等を活用しながらも計画的な資産の更新と資金確保に努められたい。
 
    (オ)土地及び建物の賃借料について
      事務所・倉庫の事業費は14,140千円(国県補助2,016千円、市負担が12,124千円)で、施設は市保有であり、団体は市から貸付を受けている。
      資産の賃貸料は本来、浜田市行政財産使用料条例等により、適正な額を支払う必要がある。現在は、土地に係る年間18千円(17,510円)の負担のみであり、土地貸付料の7割及び建物貸付料全額については減免となっている。
    市との現行契約期間が満了する平成23年度までに、減免について見直しを検討する必要がある。
 
 (2) 所管課に関して
   ア 審査の状況(経営状況等)及び運営の合理化に資する意見
    (ア)市の財政負担と経営状況等の指導監督について
      団体に対して、直接的な運営補助は成されていない。しかし、平成20年度の実質的な市負担として、損益計算書に営業外収入として計上されている「作付助成収入」の中で、地域水田農業推進協議会からの「産地づくり交付金」2,640千円のうちの市負担分1,320千円(市1/2負担)が挙げられる。また、「中山間地域等直接支払交付金」の個人配分額300千円(1,200千円のうちの1/4の市負担分)も実質的な市の負担である。
      また、平成19年度には、農作業機械導入補助金により、事業費5,994千円(市負担は1/2の2,997千円)で、トラクター2,815千円、コンバイン2,900千円等の農機具を購入している。総計では、平成16年度の設立より平成20年度決算までに、農機具14,366千円と事務所・倉庫12,124千円の26,490千円を、実質的に市が補助している形になっている。
      このように、直接的な運営費補助はないものの、間接的に多額の市の負担が発生している。今後は市の実質的な財政負担を把握し、適切な補助(財政負担)の執行と経営状況等に対する監督指導に努められたい。
 
    (イ)市が貸付けしている施設(土地、建物)について
      団体が使用している建物、土地は、市保有の旧井野中学の建物、土地であり、市が貸付けをしている。旧井野中学の特別室の半分を施設建物・倉庫とし、半分は老朽化で取り壊し駐車場として利用している。
      施設の有効活用の観点からは評価できるが、団体に関する意見のア(オ)に記載したように、条例に基づいた本来の賃貸料の徴収が必要である。平成23年度で終了する契約の更新時をめどに、減免について見直しを検討されたい。
 
    (ウ)農機具等資産の維持修繕及び更新費用について
      団体に係る資産は、機械等が取得価額(事業費)26,782千円、事務所・倉庫が14,140千円の合計40,922千円となっている。内訳は、国庫補助が8,003千円、市費が26,490千円、団体の支出が6,429千円である(提出資料による)。今後、施設及び機械等の資産の維持修繕及び更新費用が発生する(農機具等の維持修繕費は、全額が団体負担となっている)。資産の老朽化に伴う維持修繕及び更新費用を的確に把握し、計画的な管理が実施されるよう指導監督に努められたい。
 

団体名

 (有)ゆうひパーク三隅

施設名

 ゆうひパークみすみ

所管課

  三隅支所産業課
 1 指摘事項
 (1) 監査対象とした財政的援助等(決算書上)の概要
   ア 補助金額 直接的な運営補助はなし
   イ 出資金  3,400千円(出資比率56.7%)  
   ウ 指定管理料 4,980千円(平成21年度から4,730千円) 
2 監査の結果
 (1) 団体に関して
   ア 審査の状況(経営状況等)及び運営の合理化に資する意見
     平成6年のオープン以来、地元特産品の展示販売等を行い地域振興の役割を果たしている。平成20度の売上高は78,453千円で、前年度比6,758千円減少(対前年度比7.9%)の厳しい経営状況である。
     販売所、レストラン等の全部門において売上げが減少し、営業損失594千円を生じているが、報酬や手当のカットなどにより、販売費及び一般管理費を2,313千円(対前年度比5.9%)減らし、経常損失を313千円、当期純損失を399千円に抑えている。ガソリン高騰や経済危機等の影響を受け、利用客が減少したことが、売上げ減少の主な要因である。
     資金状況について、平成20年度末の流動資産が10,898千円(現金・預金9,351千円を含む)、流動負債が6,163千円で、資金余力は4,734千円となっている。株主資本は、資本金6,000千円と利益剰余金927千円の計6,927千円となっており、平成20年度決算において欠損金は生じていない。
     外的経営環境の変化として、浜田・三隅道路の開通(平成20年度後半開通予定)により、通行車両及び利用客が激減し、経営上大きな打撃を受けることが予測されるため、さらなる企業体力の強化に努める必要がある。
 
    (ア)団体保有資産の状況と維持修繕、更新費用について
      団体が保有する有形固定資産として、平成20年度末で、建物1,318千円、工具・器具・備品7,711千円、リース資産578千円の計10,198千円を計上している。減価償却費の計上については、直接法(残存価額は1円)によりフル償却しており未償却額はない。平成20年度は減価償却費306千円を計上し、減価償却累計額は期末で2,386千円となっている。
      オープンから15年が経過しており、今後、維持修繕及び更新費用の発生が増加すると予測される。資産の老朽化度を適正に把握し、資産の計画的な維持修繕、更新に対応する必要がある。なお、200千円以下の修繕は団体が負担し、それ以上の額は市が負担することになっており、平成20年度は、団体の修繕費として260千円を支出している。
 
    (イ)経営改善計画及び今後の経営目標について
      平成21年7月に、今後5ヵ年の「経営改善計画書」が作成されている。指定管理料の5%削減と販売所及びレストラン部門の3%増収により、目標売上高を80,092千円と設定している。
      また、修繕費146千円の設定は、過去5年の平均支出額が302千円であり、今後、資産の老朽化が進行することを勘案すれば、見積もりが過小であるため、妥当な金額を算出し計上することが望ましい。
 
    (ウ)資産の圧縮記帳について
      固定負債計上されてある「固定資産圧縮積立金」7,512千円は、補助金により取得した資産部分であり、圧縮記帳の利益処分方式による会計処理を行なっている。貸借対照表に計上されている資産10,198千円から圧縮記帳により取得した部分の圧縮積立金7,512千円を差し引いた2,686千円が実質的な資産価額である。平成20年度決算で計上している固定資産除却損及び固定資産圧縮積立金戻入益1,665千円は、コピー機と車両を除却したものである。
      平成21年度は、圧縮資産と圧縮積立金を相殺し、直接減額方式に会計処理を変更する予定とのことであるため、適正な会計処理に努められたい。
 
 (2) 所管課に関して
   ア 審査の状況(経営状況等)及び運営の合理化に資する意見
    (ア)市の財政負担と経営状況等の指導監督について
      市の出資比率は56.7%であり、当該団体の筆頭株主である。
      特産品展示販売センターの管理運営に対し、指定管理料4,980千円(平成21年度からは4,730千円)を支払っている。厳しい経営状況の中、今後も引き続き、団体の経営状況等を的確に把握し、指導監督に取り組まれたい。特に、団体の決算書には現れない市の実質的な財政負担(維持修繕費等)を含めた総コストによって経営実態を把握することが必要である。
 
    (イ)市が保有する資産等の老朽化に伴う維持修繕、更新費用について
      初期の施設設備においては、事業費ベースで、施設用地費10,678千円、建物・内部設備等196,212千円の合計206,890千円(特産品展示販売センター部分)がかかっている(提出資料による)。起債に償還は既に終了している。また、道の駅部分は、旧建設省が300,000千円で整備している。
      施設の建物の大半は市が保有しており、また、指定管理に係る仕様書によれば200千円以上の維持修繕費は市が負担することになっている。建設から15年以上経過しており、今後、市が保有する団体の施設・設備の老朽化に伴う、多額の維持修繕及び更新費用が発生することが予測される。
      平成20年度の維持修繕費は発生していないが、平成21年度(調査時点)においては、建物と浄化槽の修繕、受水槽の撤去費用の2,351千円を、9月補正で計上している。
      耐用年数等により資産の老朽化度を適正に把握し、計画的に資産の維持修繕、更新を実施することが必要である。今後も、適正な資産管理と維持修繕及び更新費用の計上に努められたい。 
 
昨年度、監査を実施した下記団体について、指摘事項の追加が発生した。
 

団体名

 (株)かなぎ

施設名

 かなぎウエスタンライディングパーク

所管課

  金城支所産業課

 

 1 指摘事項
 (1) 監査対象とした財政的援助等(決算書上)の概要
   ア 補助金額 直接的な運営補助はなし
   イ 出資金 274,250千円(出資比率60.9%)
   ウ 指定管理料 20,000千円 
2 監査の結果(追加指摘)
 (1) 団体及び所管課に関して
   ア 審査の状況(経営状況等)及び運営の合理化に資する意見
    (ア)繰延資産(開業費)の適切な償却について
      平成20年度末残高で、28,033千円の繰延資産(開業費)が計上されている。団体は、設立から赤字経営であり、税法上、繰延資産は任意償却とされていることから、償却を実施していないものである。
      しかし、繰延資産における開業費は、企業会計上(「企業会計原則」や「連続意見書・繰延資産について」等による)は、償却の期間を最大限5年以内にとどめる必要がある。本来ならば償却が済んで実態がなくなっている資産を決算書に計上し続けることは、出資者等の利害関係者が、経営状況や財政状態を判断する上でも適切とは言えない。
      企業会計上の適切な会計処理としては、開業費の償却により、28,033千円の特別損失を計上することが望ましい。仮に平成20年度決算で開業費を償却した場合、単年度の赤字が拡大し、繰越欠損金も平成20年度末408,426千円が、実質的には436,459千円となる
 
    (イ)減価償却費の適切な計上について
      平成20年度決算において、減価償却費が未計上である。
      また、過去においても減価償却費は計上されておらず、未償却額の累計は9,536千円となっている(所管課からの説明による)。
      企業会計上、償却資産は、当該資産の耐用年数にわたり、定率法等の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分する必要がある。未償却額をフル償却した場合、平成20年度決算で計上されている有形固定資産10,868千円の実質価額は1,332千円となる。同時に、未償却額9,536千円を損失計上することになるため、欠損金も拡大することになる。  
 
    (ウ)実質的欠損金の状況等と経営の抜本的な見直しについて
      (ア)(イ)で記載したように、団体の実質的な繰越欠損金は、繰延資産(開業費)の未償却額28,033千円と減価償却費の未償却額9,536千円の償却を実施した場合、445,995千円となる(資本金が450,000千円であるため、試算では実質的な株主資本は4,005千円となる)。
     今後は、施設の老朽化に伴う多額の維持修繕費、更新費用等が発生することも予測される。また、平成20年度決算において、流動資産11,670千円から棚卸資産4,433千円を除いた当座資産が7,237千円であるのに対し、短期借入金や未払金等の流動負債が9,318千円であることから、厳しい資金状況にもある。
     実質的な繰越欠損金の状況及び資金状況、将来的な施設の維持修繕・更新費用の発生状況等を勘案すれば、団体と筆頭株主である市が連携して、経営改善計画と経営状況の把握・検証を行い、早急に抜本的な対策を講じられたい。  
 

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